10人にひとりはトラブルあり。適切な装用・ケアを行いましょう。
■コンタクトレンズ
コンタクトレンズはとても便利なものです。そのかわりにきちんとしたケアをしないと、目に傷害を負ってしまう可能性もなきにしもあらずです。コンタクトレンズは正しく作って、正しく使いましょう。
尚、より安全を期す為に、テスト用コンタクトレンズで数日間様子を見て頂いてから、再びコンタクトレンズ検査を受けて頂く事もあります。
ハードコンタクトレンズについて
コンタクトレンズにはハードとソフトの2種類があります。
ハードの場合は異物感は強いのですが、瞬きするとハードコンタクトレンズが動き、涙がハードコンタクトレンズと角膜の間に入ってくるので、目に必ず必要な「酸素」の透過性が非常によいという特徴があります。
終日タイプであるハードコンタクトレンズは寝る前に外す必要がありますが、1年~2年間使用できます。
ソフトコンタクトレンズについて
ソフトレンズでは、異物感はあまり感じないのですが、酸素を取り込みにくいので、レンズの素材に水分を含んでいて、レンズを通して、酸素の供給を受けるようになっています。酸素の通りやすさ(酸素透過性)はレンズの素材(水分を含む率、イオン性かどうか)や厚みなどの影響を受けます。
ソフトコンタクトレンズは使い捨てのものもあり、取り扱いが楽という特徴があります。
使い捨てのコンタクトレンズの種類としては、
・ワンデイタイプ
・2週間タイプ(寝る前に外す必要があります)
などがあり、その他1カ月、3カ月(寝る前に外す必要があります)使い続けることのできるコンタクトレンズもあります。
コンタクトレンズのケア
コンタクトレンズを装着すると、一日の終わりには、生体からの脂質やタンパク質、カルシウムや化粧品などで必ず汚れが付着してしまいます。汚れが付着したままにしておくと、くもりやかすみで見えにくくなったり、装用感が悪くなったり、レンズによっては細菌やカビが繁殖したりして、障害の原因になったりします。安全、快適に使用するためケアが必要になります。
ハードコンタクトレンズの場合は、こうした汚れを落とすためにつけおきやこすり洗い洗浄を行います。消毒する必要はありません。
ワンデイタイプ以外の全てのソフトコンタクトレンズのケアには水道水は使えません。非常に柔らかい素材なので汚れが付着しやすく、雑菌、カビが繁殖する可能性があり、ちゃんと洗浄・消毒する必要があります。
ソフトコンタクトの中では、「ケアが要らない」という理由で、ワンデイタイプが一番おすすめです。
それぞれのコンタクトレンズ、ケア用品の取扱説明書をよく読み、正しいレンズケアを行うようにしましょう
怖しいコンタクトレンズのトラブル
銀座・東銀座・築地のみなさん、コンタクトレンズは、心臓用ペースメーカーと同じく、「高度管理医療機器」のクラス3に指定されており、「不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられる」医療機器とみなされています。
そしてコンタクトレンズを使っている方のうち10人にひとりは、何らかのトラブルを抱えているといわれています。
例えばアメーバ性の角膜炎という恐ろしい病気があります。アメーバは水道水の中にもいるのですが、コンタクトレンズによってついたちょっとした目の傷に入りこんでしまうと、有効な治療法がなく失明につながるというケースも多く報告されています。
細菌やヘルペスウイルスによる角膜感染症はコンタクトレンズ装用者にとても多い病気です。角膜炎や角膜かいようは、目の中の眼内炎にもつながってしまいます。ソフトコンタクトレンズは角膜の知覚を低下させる力が強いので、角膜に傷がついても痛みを感じにくくなってしまいます。眼科専門医でなければ角膜炎、角膜かいようなどの疾病を見逃してしまうことも少なくないと思われます。
まぶたの裏が荒れるアレルギー性結膜炎もコンタクトレンズ使用者のかかりやすい病気のひとつです。「コンタクトレンズがズレたり、くもったりするんですけど……」というご相談から、アレルギー性結膜炎がわかることも少なくありません。
またコンタクトレンズを使ってパソコンの長時間労働をされている方は、ドライアイにもなりやすいようです。これは目の乾きや充血、痛み、疲れ、異物感という症状で、とても患者さんが多いです。コンタクトレンズの汚れや、まばたきの回数が減ることが原因で涙が蒸発してしまい、ドライアイになるわけです。
これらの疾病には適切な治療が必要になります。
したがってコンタクトレンズ装用者が感染症を防ぐためには、コンタクトレンズをつけるときには、目に異常がないことをまず確認する。定期的な検査を行う。コンタクトレンズのケアをきちんと行う。装用時間を守るなどの必要性があるのです。
このようにコンタクトレンズはとてもデリケートな医療機器なので、目を大切にしながら使用し続けるためには眼科医の指導にしたがって自分に合ったコンタクトレンズを作ることと、適切に使用すること、目の異常についての自覚症状がなくても定期的な検査(1週間後、1カ月後、3カ月ごと)と日常のケアを行い、疾病の早期発見に努めるのが一番安全な方法ということができるでしょう。
尚、より安全を期す為に、数日間テスト用コンタクトレンズで様子を見て頂く場合もあります。
コンタクトレンズの使用が未経験で、初めてのコンタクトレンズ処方を希望の方は、事前に必ずご連絡をいただければ幸いです。